トヨタのクラウンは、その長い歴史の中で数多くのモデルチェンジを経てきましたが、特に注目されるのが180系と200系の違いです。この記事「クラウン180系200系違いと進化をユーザーの評価と共に解説」では、両シリーズの特徴と進化の軌跡を、実際のユーザーの声を交えて深掘りしていきます。180系が「ゼロクラウン」という愛称で親しまれ、より身近な高級車としての地位を築いたのに対し、200系は環境性能の向上が著しく、ハイブリッドシステム「THS II for FR」の導入により、燃費効率を大幅に改善しました。クラウン180系200系の違いを明らかにし、それぞれのモデルがどのようにユーザーの期待に応え、時代のニーズを捉え進化してきたのかを、この記事で詳しく解説していきます。
目次
クラウン180系200系の違い:まずは180系の紹介
180系クラウン、別名「ゼロクラウン」は、新たなスタートを象徴する「ZERO CROWN」のスローガンのもと、2003年から2008年まで販売されました。この車は、かつてのステータスシンボルからより身近な車へと変化したことを示しており、ロイヤルとアスリートの2つのグレードがありました。約4年間の販売期間中には、エンジンの強化やデザインのマイナーチェンジが行われ、よりパワフルで洗練されたモデルへと進化しました。
エクステリアはラグジュアリーとスポーティーさを兼ね備え、内装はグレードによって異なるデザインが採用されていました。ロイヤルは家庭的な安心感を、アスリートはスマートでスポーティーな印象をそれぞれ提供しています。ゼロクラウンは、トヨタのフラッグシップモデルとして若年層にも訴求し、高級セダンとしての魅力を維持しながら、幅広いドライバーに受け入れられる車でした。
180系スペック(2500CC)
カテゴリ | 仕様詳細 |
---|---|
ボディタイプ | セダン |
ドア数 | 4ドア |
乗員定員 | 5名 |
型式 | DBA-GRS180 |
全長×全幅×全高 | 4840×1780×1470mm |
ホイールベース | 2850mm |
トレッド前/後 | 1525/1525mm |
室内長×室内幅×室内高 | 2070×1535×1200mm |
車両重量 | 1570kg |
エンジン型式 | 4GR-FSE |
最高出力 | 215ps(158kW)/6400rpm |
最大トルク | 26.5kg・m(260N・m)/3800rpm |
エンジン種類 | V型6気筒DOHC |
総排気量 | 2499cc |
内径×行程 | 83.0mm×77.0mm |
圧縮比 | 12.0 |
過給機 | なし |
燃料供給装置 | 筒内直接燃料噴射装置 |
燃料タンク容量 | 71リットル |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
10モード/10・15モード燃費 | 12.0km/リットル |
ステアリング形式 | パワーアシスト付きラック&ピニオン |
サスペンション形式(前) | ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
サスペンション形式(後) | マルチリンク式コイルスプリング |
ブレーキ形式(前) | ベンチレーテッドディスク |
ブレーキ形式(後) | ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ(前) | 225/45R18 91W |
タイヤサイズ(後) | 225/45R18 91W |
最小回転半径 | 5.2m |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
変速比 第1速 | 3.538 |
第2速 | 2.060 |
第3速 | 1.404 |
第4速 | 1.000 |
第5速 | 0.713 |
第6速 | 0.582 |
後退 | 3.168 |
最終減速比 | 4.100 |
180系クラウンユーザーの評価は?
良かった点:
- 信頼性が高く、ノーマル状態でも満足できる性能。
- 3.5リッターモデルはパワフルで、FRの運転感覚が快適。
- インテリアは高級感があり、古さを感じさせない。
- 広い室内空間と便利なメモリー機能付き運転席。
- エクステリアデザインが気に入っている。
- 燃費が良く、装備が充実している。
- HDDナビゲーションシステムが使いやすい。
- ゼロアス前期モデルに満足、内装も黒革で高級感があり、リアシートも綺麗。
- スタイルが良く、フロントマスクが現行車より好まれる。
- ハンドリングと乗り心地に問題なし、4WDのアメ車に比べて快適。
- エンジンとサスペンションがクラウンらしく、スポーツモードでの走行が好まれる。
- V6エンジンの静かさと高回転時の音質が良い。
- デザインが高級感を保ちつつ、新車の軽よりも安価。
- インテリアがブラックウッド調で高級感があり、エンジンとステアリングの質が高い。
気になった点:
- ブレーキ性能がエンジンに対して少し物足りない。
- 燃費と維持費が高い、特に3.5リッターモデルでは税金も高額。
- リアエクステリアのデザインが特徴に欠ける。
- アクセルが重く感じ、加速が鈍い。
- 室内の小物入れが少なく、室内が予想より狭い。
- トランクルームが不必要に大きい。
- タイヤの走行音と長時間運転時のシートの快適性に少し問題あり。
- 町中での燃費が7km/L程度、高速での燃費も最近の車に比べて劣る。
- コントロールボタンが日本語多用で分かりにくい、英語や記号の方が好まれる。
- カーナビのインターフェイスと画質が古い。
総評:
- 通勤やレジャーでの使い分けが良く、乗り心地が良い。
- 2年間で3万キロ以上を走行し、強い愛着を感じる車。
- ハイブリッドモデルは特に運転の楽しさがあるため、試乗を推奨。
- クラウンは高級サルーンカーとしての期待を満たし、スタイル、パワー、燃費に満足。
- コーティングによる新車のような輝き、黒革の内装やマルチビジョンの周りの作りにも満足。
- ゼロアスはヨーロッパ車やアメ車とは異なる日本車らしい高級感がある。
- 車に対する不満は微々たるもので、維持費は高いが所有する満足感がある。
- 居住性が抜群で、装備が充実している。
- 静かで力強いエンジンや走行安定性が信頼感を与える。
180系トヨタクラウンは、上品なロイヤルとダイナミックなアスリートの二つのグレードがあり、さらにラグジュアリーなクラウンマジェスタがラインナップの頂点に君臨しています。アスリートはそのスポーティな魅力で、ブラックアクセントのヘッドライトや特徴的なフロントとリアのデザインが際立ちます。内装も競技志向を反映したデザインで、サスペンションは硬めに設定されているものの、乗り心地の良さは維持されています。
パワートレインは、2.5Lと3LのV6エンジンが用意され、2005年のアップデートで3.5Lが加わりましたが、維持費のバランスを考えると2.5Lが推奨されます。このエンジンは燃費効率が良く、2005年以降のモデルでは6速オートマチックトランスミッションが標準となりました。また、4WDも選択できますが、FRの走りが基本で十分です。
内装に関しては、クラウンの伝統的な豪華さが期待され、本革シートはオプションで提供されています。ボディカラーは白や黒が一般的ですが、ホワイトパールクリスタルシャインが特に人気です。
耐久性においては、クラウンはその堅牢さで知られており、長距離走行にも耐える設計です。適切なメンテナンスがされている車両であれば、走行距離が10万kmを超えていても問題ありません。ただし、改造された車両や不適切なホイールサイズを避けるべきです。
この世代のクラウンアスリートは、スポーツ性と豪華さのバランスが魅力で、特に若い世代におすすめです。選ぶ際は、アスリートグレード、2.5Lエンジン、FR駆動、2005年10月以降の年式を優先し、整備状態が良好な車両を選びましょう。高級感と走行性能が高い水準で融合しており、中古市場で手に入る価格でこのクオリティを享受できることは、大きな魅力です。
クラウン180系200系の違い:続いては200系の紹介
2008年に登場した200系のトヨタクラウンは、その前モデルの成功を受け継ぎつつ、さらなる洗練を目指したモデルチェンジを遂げました。この新しいクラウンは、伝統的なエレガンスを保ちながらも、スポーティな要素を巧みに織り交ぜたデザインが特徴です。特にアスリートシリーズは、そのスポーツ志向をより際立たせています。
第13世代クラウンの最大の進化点は、環境性能の向上にあります。ハイブリッド技術の導入により、ロイヤルとアスリートの両シリーズに「THS II for FR」という先進のハイブリッドシステムが搭載されました。この技術のおかげで、クラウンは10・15モード走行で15.8km/Lという印象的な燃費効率を実現しています。
200系スペック(2500CC)
記事のポイント
- デザインの違い:200系はテールランプの形状やストップランプのデザインにより、スポーティな印象を強調している点。
- 安全機能の進化:200系にはインテリジェントAFSや追突リスクを減らすための点滅するストップランプなどの新しい安全機能が搭載されている点。
- 走行性能の向上:200系クラウンアスリートはスポーツ性を前面に出しており、走行性能が高いこと。
- 快適性と装備の充実:200系は乗り心地の良さや、便利な機能ボタン、Bluetooth接続、ナビゲーションシステムなどの快適性と装備の充実が特徴であること。
項目 | 詳細 |
---|---|
ボディタイプ | セダン |
ドア数 | 4ドア |
乗員定員 | 5名 |
型式 | DBA-GRS200 |
全長×全幅×全高 | 4870×1795×1470mm |
ホイールベース | 2850mm |
トレッド前/後 | 1535/1535mm |
室内長×室内幅×室内高 | 2060×1520×1205mm |
車両重量 | 1630kg |
エンジン型式 | 4GR-FSE |
最高出力 | 203ps(149kW)/6400rpm |
最大トルク | 24.8kg・m(243N・m)/4800rpm |
エンジン種類 | V型6気筒DOHC |
総排気量 | 2499cc |
内径×行程 | 83.0mm×77.0mm |
圧縮比 | 12.0 |
過給機 | なし |
燃料供給装置 | 筒内直接燃料噴射装置 |
燃料タンク容量 | 71リットル |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
10モード/10・15モード燃費 | 12.4km/リットル |
ステアリング形式 | パワーアシスト付きラック&ピニオン |
サスペンション形式(前) | ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング |
サスペンション形式(後) | マルチリンク式コイルスプリング |
ブレーキ形式(前) | ベンチレーテッドディスク |
ブレーキ形式(後) | ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ(前) | 225/45R18 91W |
タイヤサイズ(後) | 225/45R18 91W |
最小回転半径 | 5.2m |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
変速比 | 第1速: 3.538, 第2速: 2.060, 第3速: 1.404, 第4速: 1.000, 第5速: 0.713, 第6速: 0.582, 後退: 3.168 |
最終減速比 | 4.100 |
200系クラウンユーザーの評価は?
良かった点:
- 外見が高級感があり、スポーティなデザインが魅力的。
- 静かで振動が少ないため、乗り心地が非常に快適。
- ハンドルに機能ボタンがあり、操作が便利。
- Bluetooth接続やナビゲーションシステムが充実。
- 緊急時の救急車呼び出しボタンが装備されている。
- 運転席と助手席のリクライニングや前後移動が自動で行える。
- 有料オプションで便利なサービスが利用可能。
- 走行性能が高く、加速がスムーズでカーブ時の安定性が素晴らしい。
- シートの座り心地が良く、長時間の運転でも疲れにくい。
- トランクルームが広く、荷物が多く積める。
- 高速での足回りの安定感が良い。
- コストパフォーマンスが優れている。
気になった点:
- エンジンのかかりが悪くなってきたこと。
- ガソリンはハイオクで燃費が高い。
- 後部座席のリクライニングができない。
- 小回りが効かないこと。
- 車高が低いため、メンテナンスが大変な場合がある。
- タイヤホイールの価格が高い。
- 外観のデザインに差があまりないこと。
総評:
- クラウンは長く乗れる耐久性があり、乗り心地が良い車と評価されている。
- スポーティながら高級感もあり、多くの人に好まれるデザイン。
- 燃費はコンパクトカーに比べると悪いが、車の大きさや性能を考慮すると納得できるレベル。
- 3500ccモデルは特に推奨されているが、リコールの可能性もあることを考慮する必要がある。
- デザインについては好みが分かれるが、乗り心地は世代を問わず好評。
200系クラウンアスリートは、夜間のカーブ走行時にステアリングの角度と車速を検知し、ロービームの照射方向を曲がり角に合わせて自動調整するインテリジェントAFSを全車に標準で備えています。これにより、暗い道でも視界を確保し、安全なドライブをサポートします。安全装備としては、後席を含む計10個のSRSエアバッグが搭載されており、万全の体制で乗員を守ります。
このモデルのデザインの特徴は、テールランプにあります。ロイヤル系と同じ形状をしているものの、ストップランプを丸型にすることで、スポーティな印象を一層強調しています。さらに、急ブレーキ時には全てのストップランプが点滅し、後続車に警告を発することで追突のリスクを減らす機能も備えています。
200系クラウンアスリートは、クラウンシリーズの中でもスポーツ性を前面に出したモデルですが、セダンとしての完成度も非常に高く、安全性、走行性能、快適性のすべてを高いレベルで実現しています。高性能なプレミアムセダンを中古でお探しの方には、この200系クラウンアスリートをお勧めします。
クラウン180系200系の違い:まとめ
- 180系は2003年から2008年にかけて販売された、新時代のスタートを切るモデル
- 200系は2008年にデビューし、先代の成功を踏襲しつつも進化を遂げた
- 180系は「ゼロクラウン」という愛称で親しまれ、より身近な高級車としての位置づけ
- 200系は環境性能の向上が特徴で、ハイブリッドシステム「THS II for FR」を導入
- 180系はロイヤルとアスリートの2グレード展開で、内装や乗り心地に差異を設けた
- 200系アスリートはスポーツ性を強調し、デザインにもそれが反映されている
- 180系は2.5L V6エンジンが標準で、2005年には3.5Lモデルが追加された
- 200系では燃費効率が向上し、10・15モード走行で15.8km/Lを実現
- 180系は高級感を保ちつつも、より多くの層に受け入れられるデザインを採用
- 200系は安全性能も強化され、全車にインテリジェントAFSやSRSエアバッグを標準装備
- 180系は高級サルーンとしての期待を満たし、スタイルとパワーで評価された
- 200系アスリートはスポーツ性とセダンとしての完成度を高いレベルで融合させた